編集長 伊集院光の一言 昔のレーザーディスクカラオケとは違い、今のカラオケは機械に内蔵されている(もしくは通信カラオケのサーバーから送られてくる?)いろんな映像の中から、リクエストされた曲のジャンルに合わせて選ばれたものがなんとなく流れるシステムになっているようだ。 恋人達の別れの歌には、ベッドで悲しそうな顔をしてあらぬ方を眺める女、楽しそうにはしゃぐカップル、男をひっぱたく女、夜の海を眺める女、といったなんとなく「別れ」の映像が、アメリカの歌には、自由の女神、マジソンスクウェアガーデン、トランペットを吹く黒人、黄色いタクシー、星条旗、といったなんとなく「アメリカ」な映像、子供の歌には、なんだか古いアニメのワンシーン、子犬、怪獣、チンパンジー、カラフルなお花、とこれまたなんとなく「子供」な映像が流れる。ハードロック系の曲は、割れるグラス、疾走する高速道路、一面風力発電所の大きなプロペラ、部屋にかけられた革ジャンとギター、すごい人数の観客、、、なんだか書きながら頭の中に浮かぶ映像が恥ずかしくなってきた。 一体あの機械の中には(もしくは通信カラオケの会社のサーバーの中には)どれくらいの「らしい映像」が入っているのだろうか。 「山ねずみロッキーチャックのテーマソング」あたりを入れるとちゃんと「山ねずみロッキーチャック」がでたり、特定のアーティストの曲をリクエストしたりするときちんとオリジナルのプロモビデオ映像が出たりもするのでとてつもない数の映像がキープされているに違いない。 どこのメーカーの通信カラオケかは知らないが、野球関係の曲を入れると必ず懐かしい「実写版野球狂の詩」の映像が出るものがある。この映像が「レンタルビデオでわざわざ借りるようなシロモノではないのだが、不意に出くわすときちんと見たくなる」という僕の中で大変微妙な位置付けで、いつも見いってしまい、しかも良いところで曲が終わってしまうので、欲求不満とただでさえあまり好きではないカラオケボックスという場所とあいまっていつもテンションが下がる。 たまに、どういうコンピューターの判断(もしくはジャンルわけした通信カラオケ会社のスタッフのセンス)でこの映像がチョイスされたのかわからない組み合わせに出あうときがある。 具体的に曲名は思い出せないが、僕がカラオケで歌う曲だからおそらくブルーハーツの何かだと思うのだが、結構なロックの背景に、銀座のホコ天で風船を配るピエロ、モトクロスのバイク、公園の街灯の下で踊る女、、、って意味がわからない。ブルーハーツのどの部分のキーワードにあの踊る女が当たるのだろう。大体あの女は誰なんだ?かなり前から見かけるが、今は幸せでやってるのか?謎だ。 (以上、全文1,111文字÷テーマ「カラオケの映像」7文字、158倍返しでお送りしました。) バックナンバーへ募集中! 7文字で50倍返し! 戻る